365日をJ棟で

サラリーマンの諸々日記。買い物、音楽、日常。

Sangam / Charles Lloyd, Zakir Hussain, Eric Harland

Sangam / Charles Lloyd, Zakir Hussain, Eric Harland (ECM, 2006)

 

Charles Lloyd (Sax, Fl, Tarogato, Percussion, Piano)
Zakir Hussain (Tabla, Percussion, Voice)
Eric Harland (Dr, Percussion, Piano)

 

木管楽器、タブラ、ドラム(ときどきピアノ)。

イカン、編成が煙たすぎる。

1曲目からもう不穏感MAXなんだけど、1枚を通して聴いてみると、あら、なんてことはないわね。

すっごいカッコいい。

例えばサックスとドラムのデュオだと、それこそジョン・コルトレーン×ラシッド・アリInterstellar Spaceみたいに、足し算、足し算、足し算、常にエントロピーが増大している演奏が連想されるのですが…

 

チャールズ・ロイド×エリック・ハーランドの2人だけなら、上の様にシッチャカメッチャカな演奏になってしまっていた可能性があったでしょうが、本作ではザキール・フセインの存在があまりにも大きい。


タブラについてはあまり詳しくないので、専門的なことはサッパリなのですが…一定のビートを細かく刻みながら演奏し、更に出せる音量も一般的なドラムセットと比べて非常に小さく、更に手指の微妙な力加減で音程や強弱の変化を表現しなければならない、そんな楽器だという印象。

したがって、ロイド、ハーランドのダイナミクス・音数の幅というのは、この編成に決まった時点で、ある程度制限されているわけです。

その制限の中で、最高の集中力と技術力でもって、最高のインタープレイを魅せつけてくる3人の気迫がモリモリ伝わってきます。

おそらく観客も、咳払いすらできないぐらい緊張しているのだとは思うのですが、フセインがソロの中でSt.Thomasのテーマやクラシックの曲(恥ずかしいことに失念してしまいました)を演奏したり、ロイドも至上の愛っぽいフレーズを吹いたり、ふとした瞬間に聴き手をほぐす癒やし要素もありました。

ECMの静寂」と「ライブ盤の熱気」が最も良い地点で合わさった、素敵な一作です。

それにしてもチャールズ・ロイド、うますぎな~。

 


Charles Lloyd: Sangam (Album EPK)