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次のレベルに到達するために。

NPR Music Tiny Desk Concertシリーズに、Thundercat(サンダーキャット)が登場しましたね。

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今年リリースされたアルバムDrunkから、Lava LampFriend Zone、そして代表曲Them Changesの3曲を披露しています。

アルバムのような凝ったオーバーダブもなく、ライブのような情報量過多な激烈インタープレイでもない。タイニー・デスク・コンサートの意向に沿った、3人(+電子ヴァイオリン)のミニマルなサウンド。大中小、どのような形態のサウンドにも対応できるサンダーキャット(とデニス・ハム(Key)、ジャスティン・ブラウン(Dr))の柔軟さが素晴らしいですね。

そして、改めて聴くと本当に曲がカッコいい!Lava Lampの良さを再認識しました。

アルバムDrunkが未聴でも楽しめる映像です。

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サンダーキャット関連で一つ。来日した際のインタビューで、サンダーキャットが自身のバンドのドラマー、ジャスティン・ブラウンについてこう述べていました。

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俺のバンドにジャスティン・ブラウンってドラマーがいる。彼のプレイはカタルシスを感じるような激しい演奏をするんだ。けっこう粗くてめちゃくちゃに聴こえるときもあるんだよ。でも、なぜジャスティンがそれをやるかというと、彼はその次のレベルに行きたいからなんだよ。新たな領域に辿り着くためにね。彼が必死でやる演奏は、一見、めちゃくちゃに見えたり、荒かったりするけど、それを20分くらいやり続けると、やっと自分が求めていたものに辿り着けたりするんだ。だから、そういうことを繰り返しやり続けて、常に自分の領域を高めることが大事。俺はライブが好きで、ライブをやることで、音に変化をつけることも楽しめるし、自分が変化していることも楽しめる。そういう意味で、ライブは大事な時間だね。

僕が好きなのは、こぢんまりと纏まったお上手な演奏ではありません。プレイヤー達が全神経を注ぎ、対話を重ねながらどうにかして次のステージに向かおうとする、あわよくばそのステージに到達する、そしてその恍惚・エクスタシーを観客全員が共有する…そういう演奏が好きです。サンダーキャットエリック・ハーランドカマシ・ワシントンコリン・ヴァロンクリス・デイヴの演奏が心に残り続けているのも、そういった体験が自分の中であったからです。

お決まりのコンピング、お決まりのダイナミクス、お決まりのソロ、お決まりの合いの手…いわゆる書き譜を使った音楽(特にジャズにおいて)は、どうしても聴き手の感情が不在になっている気がして、食指が動きません。エンターテイメントとして考えると、同じクオリティの演奏をコンスタントに出来る、というのは大事なのかもしれませんが。音楽の魅力というのは人それぞれなので、あまり貶し放題なのも嫌われる要因になるのですが、僕が感じる音楽の面白さは、そういった演奏には一切ありませんでした。

「激しい音楽が好きなんだね」とよく言われるのですが、最高の演奏に向かうその中継点としてチョット激しくなってしまっているだけであって、ただ単にどんちゃん騒ぎをしていれば好きだというわけではありません。

 

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