squaredjacketsのブログ

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音楽が好きな大学院生。のんびり。

リズム・チェンジ殺人事件~名演たちの事件簿~

 

Chris Potter MURDERING "Lester Leaps In" (RIP to Rhythm Changes)

と題された動画が先月投稿されていました。クリス・ポッターがリズム・チェンジの上を縦横無尽に駆け巡り、蹂躙(?)している様子から名付けられたようです。この投稿者はYouTube上にアップされているジャズの動画をかき集め、ユニークな題名で再投稿している方で、他にもキャッチーな動画を多く投稿しています。

そもそもリズム・チェンジって何?というところから始めますと。
名前の由来は、ジョージ・ガーシュウィンの代表曲の1つである、I Got Rhythmのコード進行から。アイ・ガット・リズムのチェンジ(進行)=リズム・チェンジということですね。
その後もLester Leaps In、Anthropology、Oleo、Rhythm-A-Ning、Weeなど、進行はそのままにメロディーを変えた様々なリズム・チェンジの曲が生まれ、セッションにおける定番曲となっています。トランペットやテナーサックスのようなin B♭の楽器にとってはCmaj、つまりシャープもフラットもないドレミで演奏できる曲でもあるのです。また、そのシンプルさ故にBPM300以上で演奏されることも珍しくありません。

そこで今回は、様々なジャズメンたちによって殺害されてきたリズム・チェンジの供養…じゃなくて、名演を集めてみました。

Art Tatum plays I Got Rhythm (solo,1940)
盲目の天才ピアニスト、アート・テイタムが独奏でお送りするアイ・ガット・リズム。理解が全く追いつかない2分間。指10本じゃないでしょ、どう考えても。自在に転調を繰り返し、淀みなく弾きまくるテイタムの目まぐるしさに巻き込まれたリズム・チェンジさんおよび全てのピアニストが昇天。

Sonny Rollins / Oleo
オレオといえばソニー・ロリンズソニー・ロリンズといえばオレオ。このテイクをコピーしようとしたら、録音のせいか微妙に音程が合っていなくて、何の音か聴き取れなかった僕が亡くなりました。リズム・チェンジさん、一命を取り留める。

Aaron Parks Oleo
現代ジャズにおける重要なポジションに位置するピアニスト、アーロン・パークスが活動の初期に残した録音より。なんと、アーロンは当時16歳。既にビバップ+コンテンポラリージャズの語法を完全にマスターしてしまった若き高校生のパワーに、自信を喪失したピアニストも多いことでしょう。こんな若造に完膚なきまでに殺られてしまったリズム・チェンジさんに、少し同情してしまう。

Pat Martino Trio Live at Yoshi's – Oleo
パット・マルティーノのオルガン・トリオ作品。マルティーノのダンディーなソロ&コードワークとオルガンのオシャレさが良い。結局、オシャレが一番なんですよね。それでいてカッコよさも同居。テクニックだけが全てじゃねぇから!と若き日のアーロン・パークスに説教するリズム・チェンジさん、マルティーノが醸し出す大人の余裕にオシャレ死。

Michael Brecker - Oleo - 1983
サックス界に多大なる影響を与え続けた、というか今生きているテナー奏者の10割は何かしらの影響を受けているであろうマイケル・ブレッカー。ソロの1コーラス目の最初の音がコード(B♭)に対する半音上の♭9th(B)という、あまりにも大胆すぎる出だし。やだ、マイケルさんったら、そんなアウトした音出さないで…リズム・チェンジさん、恥ずか死。

Joe Pass and NHOP - Oleo
説明不要のレジェンドギタリストであるジョー・パスと、先程のマイケル・ブレッカーのテイクでもベースを弾いている、ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン、通称NHØP。ベーシストらしからぬ爆速弾きで聴き手を翻弄。ペデルセンの指さばきにリズム・チェンジさん、全身むち打ち。

The JazzTimes Superband - Oleo
速さを求めるアナタに。スティックを持ったゴリラであるデニス・チェンバースに撲殺されてしまったリズム・チェンジさん。ボブ・バーグのソロは、明治大学Big Sounds Society Orchestraの島田啓助さんがコピーされています。何度観ても熱量と完成度がスゴいです。金髪のトランペットの方は通常音域がほとんど出せず超高音域しか鳴らせなかった、という噂を聞いたことがありますが、よく見ると途中のトランペットソリはラストを除いて全て吹き真似なんですよね。そんなのアリ!?(笑)

Oleo - Joel Frahm & Lage Lund 4tet
現代ジャズ界の先鋭隊、ジョエル・フラームとラーゲ・ルンドによる演奏。仁王立ちで力強く攻めるフラームと、謎めいたコードワークでオレオ感を完全に打ち消すルンドの組み合わせ。メダパニを受けた後に素早さ255の武闘家で殴られたリズム・チェンジさん、つうこんのいちげき。本演奏の一部は明治大学BSSOの方によってコピーされています。コチラも素晴らしいです。

James Carter Oleo
ほぼネタ枠ですが、一応ご紹介。ジェームズ・カーターがクレイグ・テイボーンらとジャズ・スタンダードを再解釈し、イジり倒したアルバムより。空中分解しかけているのに、なんとなく纏まって聴こえる不思議なテイク。俺をこんな適当に扱わないでくれ!と訴えるリズム・チェンジさんの願いも虚しく、曲の最後の不穏すぎるファズトーンで爆死。

 

いやー、いいですね、リズム・チェンジって。ここに挙げたのはお気に入りテイクの一部ですが、漁れば漁るほど良いものが出てきますね。
皆さんのオススメテイクも是非コメント欄で教えてくださいね!

 

…ッパン!

そーいえば、さっきからオレオしか紹介してねーな!!!

カミナリ、面白いですよね。最近気になる芸人さんです。