squaredjacketsのブログ

365日をH棟で

音楽が好きな大学院生。ジャズをメインに色々…

今年の愛聴盤① Velvet Portraits / Terrace Martin

もう12月ですね。

2016年は大学の研究室に配属されたり、大学院入試を突破したり、充実した年だったように思います。今は卒論のテーマもほぼ決まり、実験と報告書に取り組む毎日です。大変ですが、忙しいこと自体はそんなに苦ではなかったりします。

反面、楽器の演奏からは遠ざかり、気がつけばほぼ聴き専。空き時間を見つけて練習をしたいとは思っているのですが…

さて、1年の締めくくりに、2016年にリリースされたナウい音楽から、特にお気に入りだったものを選んでみようかと思います。音楽好きとはいえ、ちょっとした趣味でしかないので、お前はまだまだ視野狭窄だな~、と鼻で笑いながら見ていただければ幸いです。Apple Music等のストリーミングサービスも一切やっていないので、チェック出来たアルバムもかなり限られています。これ良かったよね、これもオススメだよ等の感想、ドシドシお待ちしております。

…えらい予防線を張ってしまった。

 

Velvet Portraits / Terrace Martin

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昨年のグラミー賞にノミネートされた話題作であるTo Pimp A Butterfly / Kendrick Lamar をプロデュースした、テラス・マーティンのソロアルバム。本作は今年のグラミー賞の最優秀R&Bアルバムにノミネートされました。昨年はBlack Messiah / D'Angeloが受賞した部門ですので、それだけ本作に対する評価も高いのでしょう。

ジャズ、ソウル、R&B、ブルース、ゴスペル、ヒップホップ、インスト、歌モノ…全てが1枚のアルバムに詰め込まれた、まさにブラックミュージックの宝石箱。 キメで一緒に"Push!"と歌いたくなるポップでノリノリなPushロバート・グラスパー・エクスペリメントっぽさを感じるボコーダーが特徴的なWith You。 曲の入り方が中々決まらない様子がそのまま収録されたCurly Martinでは、気怠い雰囲気の中でブルーナー兄弟の高速ドラム&ベースが光ります。このレコーディング時のエピソードは、先日カマシ・ワシントンのライブにてロナルド・ブルーナーJr.本人から聞きました(全員が酔っ払ったような異様な雰囲気で演奏していたそうです)。

後ろにもたれかかるようなドス黒いビートがクセになるTurkey Taco、最近ドハマりしているトランペッターのキーヨン・ハロルドが妖艶なTribe Called West(A Tribe Called Questへのトリビュート)、年末に来日公演を行うレイラ・ハサウェイをフィーチャーしたOakland、カマシ・ワシントンがアレンジに携わった11分超えの大作Mortal Man

多種多様なジャンルの音楽は、テラスの手によって"ブラックミュージック"という大きなカテゴリへ華麗にまとめ上げられました。本作を通して、テラスはプロデューサーとしての高い才能を世界にアピールしたかったのかもしれません。さすがは2年連続でグラミーにノミネートされた男! テラスの活動は来年以降も積極的にチェックしていこうと思います。

ところで、テラスのメイン楽器であるサックスに注目すると…フレーズも音程も合ってるのか合ってないのか、よくわからない。ヘニョヘニョと軟らかく吹くときもあれば、パリッと楽器を鳴らし切るときもある。この"ヘニョヘニョ"と吹いたときの(良い意味で)地に足が着いていない浮遊感は、一般ピーポーにはまず真似出来ないんじゃないかなと思います。 ケンドリック・ラマーのAlrightではエゲツない音数、音域のフレーズをフロウさせながら吹いていますが、違和感なくスッと身体に入ってくるし、曲を邪魔していないんですよね。実はサックスの名手なのでは?


Kendrick Lamar - Alright

そう思ってFor Free?をインストでやっている演奏を聴くと、思わず笑っちゃうぐらい上手い。オーネット・コールマンエリック・ドルフィーのように、オープンな音色で自由に歌い上げつつ、ジャズ的な爆速フレーズを難なくこなす。なるほど、ジャンルによってサウンドを自在に使い分けているのか。恐ろしいや。

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来日公演、行けばよかった。。。

 

Velvet Portraits [日本語解説・帯付]

Velvet Portraits [日本語解説・帯付]