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squaredjacketsのブログ

音楽が好きな大学生です。何を書くかはあまり決めていません。

2016年に購入したCDの記録

今年購入したCDをリストアップしました。1月1日~12月12日現在、68枚のCDを購入。
太字は、新譜(2016年に発売されたもの)です。リンクがあるものは、レビュー記事へと飛びます。
 
1月 (8)

Portrait Of Sonny Criss / Sonny Criss

This Is Criss! / Sonny Criss
Time Is Of The Essence / Michael Brecker
The Promise / Wolfgang Muthspiel
Family Dinner Vol.1 / Snarky Puppy
Kulu Se Mama / John Coltrane
Polytronic / Lex Sadler's Rhythm & Stealth
 
2月 (7)
Stellar Regions / John Coltrane
I Am / Earth, Wind & Fire
Black Magic / Jose James
Family Dinner Vol.2 / Snarky Puppy
Aviator / Boogie Aroma/Especia
 
3月 (8)
Mood Swing / Joshua Redman
Nearness Of You / Michael Brecker
Saxophonic / Dave Koz
Last Date / Earth Wind & Fire
Worth Fighting For / Brian Courtney Wilson
君はメロディー / AKB48
ハルジオンが咲く頃 / 乃木坂46
 
4月 (7)
Momentum / Joshua Redman Elastic Band
Live In Helsinki 1995 / UMO Jazz Orchestra with Michael Brecker
Timeless Tales / Joshua Redman
Passage Of Time / Joshua Redman
Culcha Vulcha / Snarky Puppy
 
5月 (6)
Nihil Novi / Marcus Strickland's Twi-Life
No Time Like The Future / Incognito
Inside Life / Incognito
100° and rising / Incognito
The Heart Speaks In Whispers / Corinne Bailey Rae
 
6月 (3)
Malibu / Anderson .Paak
James Farm / James Farm
Treasure Hunter / T-SQUARE
 
7月 (3)
Like Water For Chocolate / Common
My Ideal / Glenn Zaleski
裸足でSummer / 乃木坂46
 
8月 (11)
Blank Face / ScHoolboy Q
Baduizm / Erykah Badu
Step By Step! / 坂東慧
Mirage / Especia
世界には愛しかない / 欅坂46
Straight To The Core / 早坂紗知
Speak With A Single Voice / Hal Galper
 
9月 (3)
The Meridian Suite / Antonio Sanchez
Beyond Now / Donny McCaslin
 
10月 (7)
Energies Of Changes / David Gilmore
Countdown / Joey Alexander
Voodoo / D'Angelo
Finding Forever / Common
How I Got Over / The Roots
Urban Hang Suite / Maxwell
The Thought Of You / Otis Brown III
 
11月 (3)
サヨナラの意味 / 乃木坂46
Celebrating Elvin Jones / Will Calhoun
 
12月 (2)
二人セゾン/ 欅坂46
The Epic / Kamasi Washington

2016年のライブ参加記録

今年観に行ったライブをまとめました。どれも密度が濃く、忘れられないものばかりです。来年も良質の音楽を求めて、近畿圏を駆け回ります!

 

2月

川嶋哲郎, 広瀬未来, 竹下清志, 荒玉哲郎, 大坂昌彦 スーパーセッション@ロイヤルホース

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 西日本、東日本のオールスターが集結。凄すぎて笑いが止まらない、そんなライブでした。

 

José James w/ 大林武史, Solomon Dorsey, Nate Smith@Billboard Osaka

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R&B, ジャズのビッグスターをビルボード大阪で目撃。ベースのソロモン・ドーシー、ドラムのネイト・スミスが繰り出す重量級のビートにメロメロ。ホセの歌も素晴らしい!

 

5月

KING@Billboard Osaka

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今年デビューながら超躍進したR&Bグループの初来日公演は全席完売!穏やかな音の渦に脳がトロトロ。グラミー賞ノミネート、おめでとうございます!

 

6月

John Ellis Trio w/ 中村恭士, Kendrick Scott@京都le club Jazz

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鬼才ジョン・エリスのコードレストリオ。スリリングな新世代ジャズを満喫。ケンドリック・スコットに会いたかったのです!

 

7月

Glenn Zaleski Trio w/ Rick Rosato, James Johnson Ⅲ@京都le club jazz

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新鋭ピアニスト、グレン・ザレスキー。ルーカス・ピノ(Ts)のノネットで活躍していることから知りました。ベースのリック・ロザートはベン・ヴァン・ゲルダー(As)のバンド、ドラムのジェイムズ・ジョンソン3世はアーマッド・ジャマル(!)のトリオやウィントン・マルサリス率いるジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラで活躍。シンガポールでジャズの普及を精力的に行っているピアニストの関根綾さんとたまたま同じテーブルになり、たくさんお話ができました。

 

8月

Good Fellows Japan Concert Feat. Eric Alexander, Vincent Herring@梅田Always

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ヴィンセント・ハーリングが来日するなら行くしかない!圧倒的なパワーにヤられました。

 

 

Yotam Silberstein Quartet w/ Aaron Goldberg, Or Bareket, Daniel Dor@京都le club jazz

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 最高のカルテットによる最高の演奏。ヨタムの暖かな人柄だけで今年の冬は越えられます。ライブの様子はコチラの記事にも掲載。

squaredjackets.hatenablog.com

 

10月

Chris Dave & The Drumhedz@Billboard Osaka

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完膚なきまでにヤられました。未だに頭の整理がついていません。全てが異次元。今までの人生で一番のライブでした。

 

SUPER JAZZ CONCERT 〜ジャズを愛する男たちの競演〜 (川嶋哲郎, 渡辺香津美, 山下洋輔, 古野光昭, 大坂昌彦)@枚方市市民会館

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 山下洋輔さんは凄かった!煽り達人である大坂昌彦さんを完全に食ってしまう、ブラックホールのようなピアノに吸い込まれました。フュージョンモードに突入した渡辺香津美さんは無敵。

 

12月

Kamasi Washington@Billboard Osaka

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宇宙。人生ベストアクトのクリス・デイヴを軽々と超えてしまいました。僕の中での「ライブとは何か?」を塗り替えた怪演。ライブレポートは別記事で。

squaredjackets.hatenablog.com

 

纐纈歩美 w/ Jeremey Manasia, Mike Karn, Mark Taylor@ロイヤルホース

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 ビバップっていいよね、原点に帰ることも時には必要ですね。ライブレポートは別記事で。

squaredjackets.hatenablog.com

 

 

纐纈歩美@ロイヤルホース 16/12/11

なんてツイートをしたところ友人から行こうと誘われたので、大阪のロイヤルホースへ行ってきました。

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纐纈歩美 (As)

Jeremy Manasia (Pf)

Mike Karn (B)

Mark Taylor (Dr)

纐纈さんといえば、美人が多いことでお馴染みな女性ジャズアルト界でも飛び抜けた美貌の持ち主。そこら辺の地下アイドルも蹴散らす勢いです。

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音も混じり気のないジャズ的な音で、アルトらしい軽やかさが特徴的。


纐纈歩美 アルトサックス生演奏

今回はレコ発ツアーということで、アルバムにも参加したNYからのリズムセクションを従えての登場。ピアノのジェレミー・マナシアは若かりし頃、ライアン・カイザーのクインテット(クリス・ポッターも在籍!)でツアーをしたんだとか。他のメンバーも大御所と共演しまくりなベテランたち。

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 写真撮影OKだったので、パシャリ。

アート・ペッパーへのトリビュートアルバムをリリースしたこともあって、演奏した曲の大半がアートのもの。恥ずかしい話ですが、実はアートを聴いたことがほとんどないんです。アルトではソニー・クリスを崇拝している私…


Sonny Criss Quartet - All the Things You Are

ごめんなさい、ちゃんとアートを聴きます。

纐纈さんの音は雑味が少なく、どこまでも伸びていくような美しさ。ロングトーンでも速いパッセージでも単音のきめ細やかさが際立ちます。矢野沙織さんや中島朱葉さんのような''スモーキーさ''とは対極にある音という印象でした。僕も基礎練しなきゃ。

フレーズもアルトの醍醐味である(と勝手に思い込んでいる)『無邪気な子供がそこらじゅうを駆け回っている』感じが強く出ていて、これぞビバップハードバップ!強力なリズム隊の上で走り回る纐纈さんに、何度もヴ~ンと唸ってしまいました。ケニー・ドーハムLotus Blossom聴けて嬉しかったです。

最近は現代ちっくなジャズのCD、ライブばかり聴いていましたが、こういった肩の力を抜いて気楽に聴ける音楽も良いです。カマシのライブを観てからはずっとテナーが吹きたい気分でしたが、今はアルトを練習したくてしょうがないです(笑)

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16/12/11 終演後に纐纈歩美さんと。僕より髪が短いかも…

今年の愛聴盤③ The Village / Yotam Silberstein

8月末、大学院入試に合格した翌日。ヨタム・シルバースタインというイスラエル人ギタリストが、自身のカルテットを引き連れて来日しました。イスラエル発のジャズは好きですし、昨年はシャイ・マエストロのソロピアノ公演も観に行っています。

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15/9/7 京都le club jazzにて、シャイ・マエストロ氏と。トリオ作であるThe Road To Ithacaにサインを頂きました。

ヨタム・シルバースタインカルテットの来日公演、メンバーは以下の通り。

Yotam Silberstein (Gt)

Aaron Goldberg (Pf)

Or Bareket (B)

Daniel Dor (Dr)

なななんと、ピアノはあのアーロン・ゴールドバーグ。Beyond / Joshua Redman, Can't Wait For Perfect / Bob Reynolds, The Remedy / Kurt Rosenwinkel...好きなアルバムにはいつもアーロンがいます。コットンクラブで自身のトリオを演るようなピアニストが京都のジャズクラブで観れる、こんな千載一遇の好機を逃す訳にはいきません。ベースのオル・バレケットはアリ・ホーニグのトリオ、ドラムのダニエル・ドールはアヴィシャイ・コーエンのFrom Darknessにも参加している、現在ジャズを支える重要人物たち。期待値が自然と上がった状態で観に行ったライブですが、温かくもスリリングな演奏に心を打たれ、大満足で帰ってきました。

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16/8/29 京都le club jazzにて、アーロン・ゴールドバーグ氏と。カート・ローゼンウィンケルのサインが入ったThe Remedyにもサインを頂きました(残るはマーク・ターナージョー・マーティン、エリック・ハーランド…道は長い)

 

The Village / Yotam Silberstein

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Yotam Silberstein (Gt)

Aaron Goldberg (Pf)

Reuben Rodgers (B)

Gregory Hutchinson (Dr)

そんなヨタムの新盤は、今のジャズシーンを引っ張りに引っ張っている、最強のリズムセクションを従えて登場。サイドメンバーはジョシュア・レッドマンの黄金カルテット作のPassage Of TimeBeyondと全く同じ。


Joshua Redman Quartet @ Visioninmusica 2014

まだどこにも出回ってない、ツアー先行販売ということで、新しいモノ好きの自分は躊躇うことなく購入(笑) (2016年12月、晴れてヨーロッパ&日本でリリースされたそうです。おめでとうございます!)

1曲目のParabensはシンプルなリフが繰り返される、ミディアムテンポのブルース。吸引力の強いルーベンとハッチェンソンのタイトなビートに、出だしから惹きつけられます。16分音符が敷き詰められたテーマは、ヨタムとアーロンの息もピッタリ。

2曲目のMilonga Grisはヨタムが敬愛するアルゼンチン人ピアニスト、カルロス・アギーレの曲。流麗でエキゾチックなメロディーにジャズのフレーバーが違和感なく混ざっており、聴きやすい1曲。こういった他ジャンルの音楽も難なくこなす、サイドメン達の適応力も凄い。そういえば、ブラジル音楽を全然聴いたことがなかったなァ。カルロス・アギーレを中心に、色々回ってみようかと思います。

アルバムタイトルにもなっている4曲目のThe Villageは、テーマの譜割りが特異的な高速ナンバー。音数は非常に少ないのですが、油断していると拍を見失ってしまうスリルにドキドキ。ライブでも演奏しているメンバーの緊張感がこちらに伝わってきました。ソロでは軽快な4ビートにチェンジし、推進力全開のリズム隊に煽られながら、ヨタムとアーロンが軽快に歌います。バックテーマでハッチェンソンが叩くパワー全開のソロも◎。本作イチオシの1曲。

続くStavは、哀愁漂うピアノの上でルーベンが弓弾きによる美しいメロディーを奏でます。ナウい言葉で例えるなら、エモい。ヨタムはジャズだけではなく、多種多様な音楽を積極的に吸収し、自分のサウンドに取り込んでいます。本曲では特にそれが感じられました。

ブルージーで物悲しい雰囲気のFuzzでしんみりしつつ、迎えたAlbayzinは中東の香りがする高速3拍子ナンバー。ここではカート・ローゼンウィンケルばりにギターを弾き倒すヨタムがカッコいい!

アルバムの最後は、レニー・トリスターノ作のLennie BirdOrnithology, How High The Moon等と同じコード進行を持つ本曲は、かつて師弟関係を結んでいたヨタムとアーロンによる、会話のようなイントロで始まります。ここでは師匠と弟子ではなく、いちミュージシャンとして対等に向かい合う2人の姿に、微笑みが止まりません。僅か3分40秒の演奏ですが、内容はギッシリ詰まっており、ただのスタンダードのカバーには終わっていません。飛ぶ''鳥''跡を濁さず、スッキリとアルバムを締め括ります。

本作はヨタムの優しい人柄が溢れ出た、非常に心地よいアルバムです。各メンバーのインプロも非常にハイレベルで楽しいのですが、とにかく曲・アレンジが良い!コンテンポラリーなジャズギタリスト(カート・ローゼンウィンケル、ジュリアン・レイジ、ギラッド・ヘクセルマン、ニア・フェルダーetc...)の書く曲はどれも良いモノが多いですよね。ヨタムもそんな名コンポーザー・アレンジャーの1人です。やっぱりジャズは曲ありきだな、と改めて思わせてくれました。

本作には収録されていませんが、ライブでも演奏されていたMatchaという曲もオススメです。MCでは「次にやる曲は、日本語ではお茶の意味があるらしいんだ」と面白おかしく紹介されていましたが、抹茶感は一切ありません(笑)

Yotam Silberstein Group - Matcha

 

ヴィレッジ [輸入CD][日本語帯・解説書付]

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  • アーティスト: ヨタム・シルヴァースタイン
  • 出版社/メーカー: Jazz&People / King International
  • 発売日: 2016/12/08
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今年の愛聴盤② Aziza / Aziza

金曜日、昔は好きでした。乗り越えれば週末が待ってますからね。残念ながらウチの研究室は土曜日もあるんです。この制度のせいで行けなかったライブ、参加できなかったイベントが沢山あります。。。これは選択した自分の責任ですので、もう割り切っていますが。その分、日曜日を目一杯楽しむスキルというのが身につきました。今週末も充実させたい。天皇誕生日が恋しい。

研究室に籠っているとは言っても、待ち時間の長い実験も多いので、暇な時間で音楽を聴いたり、こうしてブログを書いたり…

しょーもない画像を作ったりも出来るのです。

~~~~~~~~~~

 Aziza / Aziza

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Dave Holland (B)

Chris Potter (Ss, Ts)

Lionel Loueke (Gt, Vo)

Eric Harland (Dr)

僕はクリス・ポッターが大好きです。高速のMoment's Noticeを余裕綽々で吹きまくる神童(なんと14歳!)は、その後マイケル・ブレッカーが確立した演奏スタイルを更に高いレベルへと持ち上げ、独自のクリス・ポッターサウンドを開拓。大量のフォロワーを生み出していきました。そんな僕もポッターの魅力に取り憑かれたサックスプレイヤーの1人です。


John Emche 5tet with Chris Potter - Moment's Notice - 1985

バカテクの持ち主ながら、バラードもスゴく上手い。サックスという楽器の可能性をグワッと押し広げたプレイヤーだと思います。90年代のリーダー作は派手さこそないものの、ジョシュア・レッドマン、マーク・ターナーらのアルバムと併せて聴くことで、当時のジャズメン達が新たなジャズを模索しまくっていた痕跡を発見できます。2010年代にリリースされたThe Sirens、Imaginary Citiesは「ECM=静か、音数が少ない、内省的」という僕の偏見を完全に吹き飛ばした傑作。静寂の中で燃え盛るポッターの炎に心を奪われました。どちらも愛聴盤です。


Chris Potter Underground Orchestra - Imaginary Cities Pt 1 Compassion

というわけで、大好きなポッターが参加しているだけで買いな本作ですが、昨年末に神戸の中古CD屋で衝動買いし、どエライ衝撃を受けたLive at The Monterey Jazz Festival 2007 / The Monterey Quartetとメンバーがほぼ同じ。ピアノのゴンザロ・ルバルカバがギターのリオネル・ルエケに代わっているだけ。期待しない訳がない!

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Live at The Monterey Jazz Festival 2007 / The Monterey Quartet

ユニット名は無かったものの、Aziza自体は去年あたりから活動していたようで、ライブの模様を収めた映像もYouTubeに上がっています。ライブやリハーサルを通じてアンサンブルの完成度が高まった状態で録音されているであろう本作には当然、期待しまくりなわけです。

16/12/10 追記: バンド名の由来について、ホランドは本作に関するインタビューで以下のように述べています。

SPAZ: How did you decide on the band name Aziza?

DAVE: Before we toured last year we still hadn’t decided on a name for the band so we just used our four names to advertise the concerts. One of the songs we were playing was “Aziza Dance,” written by Lionel Loueke. I asked Lionel the meaning of Aziza and he explained that in his birthplace of Benin, Africa, the “Aziza” is believed to be a supernatural race of forest dwellers that give practical and spiritual advice. And so the name of the group was born.


Chris Potter, Dave Holland, Lionel Loueke, Eric Harland - Festival de Jazz de Vitoria Gasteiz 2015

 アルバム1曲目のAziza Danceは、エフェクトの掛かりまくったギターによる印象的なリフから始まります。「これホントにギターなの?実がクレイグ・テイボーンがシンセで弾いてました、なんてオチはないよね?」と思いながらも、続けて入ったハーランドのドラムにノックアウト。シンプルで明快なビートに開始早々ノリノリ。ソロは理解不能な事をやってるルエケ、イケイケドンなポッターの対比が面白く、最後にはハーランドがブチかまします。スタジオ録音の本作ですが、どの曲でもメンバーがそれぞれ十分な尺を使ってソロをしているのが素敵ですね。短い曲でも6分ほどあるので、スタジオ盤としてはそこそこボリューミーかも(10分超えの曲が7つもあるThe Epic / Kamasi Washingtonも凄いですが…)。

「1曲目に良曲を持ってきてるアルバムは竜頭蛇尾になる説」という持論があったりなかったりするのですが、2曲目のSummer 15は軽快な南国サウンドでウキウキ。ポッター、こういう曲も作れるんだ…The Sirensでのカリプソ感のないKalypsoとは何だったのか(Kalypsoはギリシャ神話に登場する女神に関する曲なので、カリプソ感はなくて当然ですが)。

3曲目のWalkin' The Walkではホランドが5拍子の上で長めのベースソロ。バンドの屋台骨としてどっしり支えるイメージのあるベーシストですが、やっぱりソロもカッコいい。モントレー・カルテットのMaidenでも、ピンと張り詰めた空気の中で非常に美しいベースソロを弾いています。

5曲目のBlue Sufiはちょっと沖縄っぽいモチーフが耳に残る変拍子曲。これもポッター作。ムムム、もしかしてポッター、民族音楽がマイブーム?確かTHE SAXのインタビューで新たなリーダー作を録音中と言っていましたが、どんな作風になるのか楽しみになってきました。このアルバムで最も長い曲(13分35秒)ですが、ポッター、ルエケ、ハーランドがこれでもかとアツいソロを披露しているので、中だるみもなく、むしろ体感時間はかなり短め。オススメの1曲です。

8曲目のSleepless Nightは、ジミヘン好きを公言しているルエケがディストーションとワウをかけて大暴れ!なんか救急車みたいな音鳴ってるし。触発されたポッターもフリークトーン、高速トリル等の特殊奏法で応えます。物凄いバトルですが、ホランドとハーランドはいたって冷静に12/8のリフを刻み続けているので、フリーになりすぎることもありません。その後はキメに合わせてハーランドがソロ。ライブ映像では、自由気ままにビートを崩しまくるハーランドに苦戦する3人の様子がかなり面白いです。


Chris Potter, Dave Holland, Lionel Loueke & Eric Harland - Vitoria-Gasteiz 2015 fragm.

本作は全体的にエスニックな香り(ルエケ色?)が強め。現代ジャズのド真ん中よりは少し外れた、ちょっとマニアックなサウンドに仕上がっています。4人が均等に2曲ずつ提供していますので、それだけルエケの存在が他のメンバーに多大な影響を及ぼしている、という風に考えられます。大好きなプレイヤーたちによる未知の化学反応に、最後まで興奮が止まりませんでした。聴くたびに新たな楽しみが見つかるので、来年以降も繰り返し聴いていくアルバムになりそうです。

Aziza名義で来日しないかなぁ、来てもコットンクラブやブルーノート東京だけだろうなぁ…

アジーザ

アジーザ

 

 

The Monterey Quartet: Live at the 2007 Monterey Jazz Festival

The Monterey Quartet: Live at the 2007 Monterey Jazz Festival

 

 

今年の愛聴盤① Velvet Portraits / Terrace Martin

もう12月ですね。

2016年は大学の研究室に配属されたり、大学院入試を突破したり、充実した年だったように思います。今は卒論のテーマもほぼ決まり、実験と報告書に取り組む毎日です。大変ですが、忙しいこと自体はそんなに苦ではなかったりします。

反面、楽器の演奏からは遠ざかり、気がつけばほぼ聴き専。空き時間を見つけて練習をしたいとは思っているのですが…

さて、1年の締めくくりに、2016年にリリースされたナウい音楽から、特にお気に入りだったものを選んでみようかと思います。音楽好きとはいえ、ちょっとした趣味でしかないので、お前はまだまだ視野狭窄だな~、と鼻で笑いながら見ていただければ幸いです。Apple Music等のストリーミングサービスも一切やっていないので、チェック出来たアルバムもかなり限られています。これ良かったよね、これもオススメだよ等の感想、ドシドシお待ちしております。

…えらい予防線を張ってしまった。

 

Velvet Portraits / Terrace Martin

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昨年のグラミー賞にノミネートされた話題作であるTo Pimp A Butterfly / Kendrick Lamar をプロデュースした、テラス・マーティンのソロアルバム。本作は今年のグラミー賞の最優秀R&Bアルバムにノミネートされました。昨年はBlack Messiah / D'Angeloが受賞した部門ですので、それだけ本作に対する評価も高いのでしょう。

ジャズ、ソウル、R&B、ブルース、ゴスペル、ヒップホップ、インスト、歌モノ…全てが1枚のアルバムに詰め込まれた、まさにブラックミュージックの宝石箱。 キメで一緒に"Push!"と歌いたくなるポップでノリノリなPushロバート・グラスパー・エクスペリメントっぽさを感じるボコーダーが特徴的なWith You。 曲の入り方が中々決まらない様子がそのまま収録されたCurly Martinでは、気怠い雰囲気の中でブルーナー兄弟の高速ドラム&ベースが光ります。このレコーディング時のエピソードは、先日カマシ・ワシントンのライブにてロナルド・ブルーナーJr.本人から聞きました(全員が酔っ払ったような異様な雰囲気で演奏していたそうです)。

後ろにもたれかかるようなドス黒いビートがクセになるTurkey Taco、最近ドハマりしているトランペッターのキーヨン・ハロルドが妖艶なTribe Called West(A Tribe Called Questへのトリビュート)、年末に来日公演を行うレイラ・ハサウェイをフィーチャーしたOakland、カマシ・ワシントンがアレンジに携わった11分超えの大作Mortal Man

多種多様なジャンルの音楽は、テラスの手によって"ブラックミュージック"という大きなカテゴリへ華麗にまとめ上げられました。本作を通して、テラスはプロデューサーとしての高い才能を世界にアピールしたかったのかもしれません。さすがは2年連続でグラミーにノミネートされた男! テラスの活動は来年以降も積極的にチェックしていこうと思います。

ところで、テラスのメイン楽器であるサックスに注目すると…フレーズも音程も合ってるのか合ってないのか、よくわからない。ヘニョヘニョと軟らかく吹くときもあれば、パリッと楽器を鳴らし切るときもある。この"ヘニョヘニョ"と吹いたときの(良い意味で)地に足が着いていない浮遊感は、一般ピーポーにはまず真似出来ないんじゃないかなと思います。 ケンドリック・ラマーのAlrightではエゲツない音数、音域のフレーズをフロウさせながら吹いていますが、違和感なくスッと身体に入ってくるし、曲を邪魔していないんですよね。実はサックスの名手なのでは?


Kendrick Lamar - Alright

そう思ってFor Free?をインストでやっている演奏を聴くと、思わず笑っちゃうぐらい上手い。オーネット・コールマンエリック・ドルフィーのように、オープンな音色で自由に歌い上げつつ、ジャズ的な爆速フレーズを難なくこなす。なるほど、ジャンルによってサウンドを自在に使い分けているのか。恐ろしいや。

youtu.be

 

来日公演、行けばよかった。。。

 

Velvet Portraits [日本語解説・帯付]

Velvet Portraits [日本語解説・帯付]

 

 

カマシ・ワシントン@ビルボード大阪 16/12/5

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カマシてきました。

 

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メンバーは以下の通り。

Kamasi Washington (Ts)

Rickey Washington (Ss, Fl)

Ryan Porter (Tb)

Patrice Pitman Quinn (Vo)

Brandon Coleman (Key)

Miles Mosley (B,Vo)

Tony Austin (Dr)

Ronald Bruner Jr. (Dr)

 

昨年リリースされ、世界中を虜にしたThe Epicの中心メンバーが勢ぞろい。オリジナルメンバーが揃っていると、安心度はかなり高い。キーボードのブランドン・コールマンは昨年ビルボードでの単独公演も行なっています。

チケットを取るのがギリギリで、カジュアル席はSOLD OUT。自由席も残りわずかで、購入直後に売り切れ。整理番号も最後の方だったため、席の空きも両端のみ。結局、左端の真ん中ら辺の座席を選択。メンバー全員の顔がよく見え、音もハッキリ聴こえる良席でした。残り物には福があるネ。

大きな拍手と歓声に迎えられ、メンバーが入場。1曲目はRe Runオクターバーをかけたライアン・ポーターが唸ります。続くカマシのソロも、落ち着いたところから始まったのが、バンドのサウンドと完全にシンクロしたまま少しずつ盛り上がっていき、最終的にはドカーーーーーーーン(語彙不足)。圧倒的なグルーヴと轟音の渦に、のっけからヤられてしまいました。

2曲目にはブランドン・コールマンをフィーチャーしたThe Next Step。キーボードの鬼が繰り出す怒涛の爆速フレーズに、笑いが止まりません。このブランドン・コールマン、ライブの最初から最後まで本当に楽しそうに演奏していたのが印象に残っています。

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Abraham / Miles Mosley

この日一番盛り上がったのは、ベースのマイルス・モズレーを大フィーチャーしたAbraham。ワウ等のエフェクトをかけたアップライトベースのソロから始まり、ボルテージが最高潮に達したところでバンドのサウンドが炸裂。ノリノリなリフの上でマイルスが歌う!叫ぶ! これがまた綺麗な声で。客席とのコール&レスポンスもあり、みんなで身体を動かしながら大合唱。曲が終わると、会場が崩れ落ちそうなぐらいの歓声が飛び交っていました。

個人的に一番楽しみにしていたのが、トニー・オースティン、ロナルド・ブルーナーJr.によるツインドラム。ほぼ全曲で、2人が同時に叩いていました。譜面に書かれているであろう基本的なビートは忠実に守りつつ、フィルインやチョップスを好きなように挟むスタイル。2人の息はピッタリで、お互いのプレイが干渉することはありませんし、バンドの邪魔にもなりません。これだけでも観に来た甲斐があった!

中盤、カマシの「トニーとロナルドの会話を楽しんでくれ!」という紹介の後、2人によるドラムデュオが始まりました。矢継ぎ早に変化するビートに合わせ、文字通り''会話''するようにフレーズを繰り出す2人。徐々に加速していくフレーズの加速度まで完全にシンクロ出来るのは何故…?ブレイクダウンの後、各人が思う存分にソロ。これはもう、完全にロナルド・ブルーナーJr.が持って行った。スピード、パワー、グルーヴ、全てのステータスが振り切れてます…ショックのあまり、次の曲の内容は記憶から抜け落ちました。。。(笑)

最後は、パトリス・クインが咆哮するMalcolm's Themeで〆。最高のステージを見せてくれたバンドに、観客は大歓声&スタンディングオベーション。退場時にはロナルドJr.がステージ脇のシンセをブーーーーーっと鳴らし、コールマンにシメられていました(笑)

客席の照明が付き、終演アナウンスが流れたにも関わらず、アンコールは鳴り止まず。サイン会に備えて会計を済ませたところで、メンバーが再入場!アンコールはThe Rhythm Changesディキシーランド風の温かいサウンドに包まれ、大円満で終演。ビルボードとしては驚異的な長さ(およそ2時間!)のステージに、幸せな身と心はクタクタ。会場を出た途端、とんでもない頭痛に襲われていることに気づきました。脳内麻薬ってあるんだ…

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カマシ・ワシントンと

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ロナルド・ブルーナーJr.と

サイン会ではカマシ、リッキー、ロナルドJrとお話ができました。来日直後に2セットのライブを終え、疲れ切っているところへ押しかけたにも関わらず、嫌な顔ひとつせずに笑顔で対応してくださりました。特にカマシはThe Epicの強面なジャケット写真、マツコ・デラックス並に大きな身体からは想像もつかないぐらい、優しくてハッピーな方でした。近いうちにまた大阪に来てくれることを願っています。

 

今日からはビルボード東京にて3日間、6公演が行われるそうです。関東の皆さん、マストですヨ!

 

The Epic [輸入盤 / 3CD] (BFCD050)_117

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